【COLUMN】Vol.1|八ヶ岳の西麓「本多園芸」のトマト(第1話)

本多園芸

銀行マンとして働いていた28歳の本多さんは、ある日一大決心をされました。

「農業がやりたい!」

そう、実は本多さんは農学部を卒業されてから、ずっと心のどこかで”農業がやりたい”と思っておられたのです。そこで本多さんは当時お住まいだった埼玉から、ここ八ヶ岳の西麓「長野県諏訪郡原町」に農業をするため移住されたのです。

八ヶ岳

八ヶ岳山麓の「長野県諏訪郡原町」は標高が約800m以上あるため、夏は北海道並みに涼しく、冬は寒さが厳しいエリアで、綺麗で美味しい水にも恵まれ、トマト栽培にはとても適した環境と言えるそうです。本多さんは1986年に農業をスタートされ、露地栽培で野菜や野菜の苗や花の苗などの栽培にチャレンジし、20数年に及ぶノウハウを活かし2011年より水耕栽培を開始されました。

本多園芸トマト

本多園芸のトマト。苗を植えてから枝が伸び始め実をつけるようになって約5段目まではまだまだ味が薄いそう。これは植えてから約3ヶ月を過ぎた頃のトマト。美味しくなり、出荷できる状態のものだそう。

約5年ほど前からトマトの栽培を始められたそうですが、もちろんこのトマトを含めほうれん草やブロッコリーの栽培を行うにあたり、色々な困難があったそうです。育てる過程で野菜が病気になったり、虫がついたり、2014年にはニュースにもなった通り、大雪の影響でビニールハウスが倒壊し、一時は生産ができない状態になったとか。それでも本多さんは「信州諏訪の八ヶ岳高原から、日本のこれからの農業を国内外に発信すること」という信念のもとに一つ一つ問題をクリアされ、美味しいトマトを栽培できるまでに再建されてこられました。

XEXシェフたち

本多園芸さんのトマト視察 6名のシェフたちが伺いました。 トマトを目の前に期待で、心が踊ります。

縁あってXEXが本多園芸のトマトに出会い、XEX各店で本多さんのトマトを使えないかと、今回はXEXグループのシェフたちが実際にトマト農園の視察に伺わせていただきました。ピッツァやパスタはもちろん、前菜やサラダにも欠かせないイタリア料理の中心的食材「トマト」は、サルヴァトーレのイタリアンにとってとても重要な食材です。

ビニールハウスに入って、まずはトマトの枝の高さに驚くシェフたち。ここまで高く育てているトマトはあまり見たことがなく、その高さにシェフたちも圧倒されていました。

これまでもいくつかの農園さんと契約させていただいておりましたが、年間を通して安定した供給量と味をキープするのは我々にとって常に課題です。本多園芸では年間を通してトマトを生産されており、この気候、特に寒暖差を生かしたビニールハウス栽培により美味しいトマトがなるということで、シェフたちは胸を高鳴らせ八ヶ岳へと向かいました。

つづく